「欧州、投資の好機」
中国復星、日本には専門チーム。
2012/03/09 日経産業新聞 13ページ
【北京=菅原透】
中国の民営投資会社の復星集団(上海市)の郭広昌董事長は8日、「欧州は投資の良い時期だ」と述べ、積極的に欧州企業への出資や提携に乗り出す姿勢を示した。建機大手の三一重工(湖南省)が独企業を買収するなど、中国企業は欧州企業を対象としたM&A(合併・買収)を積極化している。中国企業の対欧州投資の動きは今年も活発になりそうだ。
北京で開幕中の全国人民代表大会(全人代)に出席している郭董事長が一部メディアの取材に応じた。
郭董事長は「ブランド力や技術力に優れる海外企業への出資や提携を積極化する」と表明。特に欧州企業は「総資産が目減りしている」ため、投資対象として有望との認識を示した。
日本への投資についても「観光業や文化産業への関心を持っている」と語り、今後、日本企業との関係を強化する方針を示した。既に日本での投資を専門に扱うチームを発足したことも明らかにした。
一方で、「観光業がもう少し開放されれば、もっと投資ができる」と指摘。中国人観光客に対する査証(ビザ)発給条件の緩和などを念頭に置いているとみられる。
復星集団は1992年設立の民営企業。中国の鉄鋼や医薬、不動産など幅広い分野に投資実績がある。近年は海外投資を積極化。2010年に仏リゾート運営のクラブメッド、昨年はギリシャの宝飾品ブランド「フォリフォリ」に出資した。